新型コロナニュース 2020-05-13 16:54:20

コロナ禍におけるM&Aという選択肢

アフターコロナ、ウィズコロナで迫られる決断

新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に大きな影響を与える中、資金繰りに苦しむ企業は後を絶たない。20204月における国内倒産数は743件と前年同月比15%増となっている。そのうちコロナウイルス関連の倒産は71件となっており、前月の12件から大幅に増加した。

現時点ですでに倒産してしまった企業は、おそらく、もともとの財務体質が良くなかったというケースもあるかと思われるが、今後は、少し前までは倒産など考えてもいなかった企業にまで影響が及ぶ可能性もある。コロナ対策の様々な融資制度が多くの企業にとって命綱となっているが、アフターコロナ、ウィズコロナといった観点で考えた時に、このまま事業を続けることが果たして最良の選択肢なのか、決断を迫られることになる企業は多いはずだ。

 

残された選択肢

このまま事業を続けるには、やはりキャッシュフローの安定が必要となる。借りたお金は当然返す必要があるわけで、アフターコロナ、ウィズコロナという、これまでと違った環境の中でビジネスを成立させるためには当然に変化が求められる。現状の資金力、アイディア、自社の特徴などを活かし、自力でこの変化に対応できる企業は良いが、そうでない企業も多いはず。そうなった時の選択肢として、廃業だけではなく、M&Aという選択肢があることを知っておいてほしい。

M&Aと言っても、その中身はケースバイケースで、株式や事業の売買とともに、これまでの経営陣を総入れ替えしてしまうケースあれば、もともとの経営陣がそのまま残るケースもある。廃業することなく、会社や事業が存続でき、従業員の雇用も守られる。さらに、買手の下で発展・成長できる可能性も残すことができるのだから、有効な選択肢といえるだろう。

 

不況とM&A

実際にコロナの影響を直接的に受けている企業にとって、この状況下のM&Aで買手が付くわけがないと思うかもしれないが、資金に余裕のある買手にとってみれば、M&Aで掘り出しものを探す絶好のチャンスが来ているという見方もできる。今はダメでも数年先に有用だと判断されれば十分に買手がつく可能性はあるし、買手とのシナジーによって、売手には思いもよらない効果を生むケースもあるだろう。実際、リーマン・ショックによる景気後退期間にM&Aを実行し、その後、大きく成長した企業の事例は多い。もちろん自社で把握しているストロングポイントをうまくアピールし、M&A成立に向けて売手としてできる努力はするべきだが、まずはマーケットに自社の買ニーズがあるかどうか確認することが第一歩となる。

もはやM&Aは一部の大企業だけが行う時代ではなくなっており、企業や事業主の選択肢として当たり前の存在になりつつある。一度検討してみてはどうだろうか。

 

 

山口国際税理士事務所

税理士・米国公認会計士  山口 博之